この判決で最高裁は、商標出願された造語が一般名であるかどうかの判断は、それを市場の消費者がどのように受け止めるかで決まることを明らかにした。
造語が一般名称であるかどうかの判断はそれを市場の消費者がどのように受け止めるかで決まるとした判決
Booking.comは旅行の予約サイトを運営する会社で、ホテルの予約サービスに使用するマークである‘Booking.com’を商標出願した。PTOは一般名のマークの商標登録を認めておらず、一般名に.comをつけた造語も一般名称として扱うという方針を採っていた。そのため、PTO審査官はBooking.com出願を拒絶した。
出願人は、PTOの拒絶を不服として連邦地裁に提訴し、Booking.comが一般名称ではないことを証明するために、Booking.comサービスのユーザーを対象にした市場調査の結果を証拠として提出した。この市場調査では、ユーザーがBooking.comとそのサービスをどのように受止めているかが分析されていた。地裁は、市場調査の分析結果を踏まえ、Booking.comは一般名称ではないと認定した。
PTOはこの地裁認定を不服として第4巡回区控訴裁判所に控訴し、同控訴裁はPTOの控訴を退け地裁判決を支持した。そのためPTOは、さらに連邦最高裁に上告した。最高裁は、商標出願された造語が一般名であるかどうかの判断は、それを市場の消費者がどのように受け止めるかで決まることを明らかにして、第4巡回区控訴裁の判決(=地裁判決支持)を支持した。