判例紹介

判例紹介

アメリカのCAFC
(米国連邦控訴裁判所)の
判例の紹介

判例が法律となるアメリカで提起される訴訟数は年度により変化があるものの毎年4000件程に及び、年間ベースで日本の40倍以上の数です。連邦裁判所からの控訴事件はCAFCで審理されるため、CAFCは世界最大の特許事件を取り扱う国家機関と言えます。また、頂点に位置する米国最高裁判所もタイムリーに重要な判決を出しています。特許の侵害判断、有効性の判断は、特許と対象製品に共通性があれば、裁判国が違ってもそれぞれの国の裁判所の判断は同様な結論になる傾向があります。従って、日本と比べ遥かに判決の多い米国の判例を勉強し、事件の傾向、判例の変化、事件解決のロジックを学び、日々の仕事に活かすことは重要です。

cafc

この一環として、当事務所はMilbank, Tweed, Hadley & McCloy事務所と1999年から2018年まではCAFC判決を勉強し、月刊The Lawyers誌に掲載しました。それ以降はVenable | Fitzpatrick事務所、最近はMorgan, Lewis & Bockius LLP事務所と共に判決を紹介しています。
紹介判決数は800件以上になります。

CAFC判決

日本の判例の紹介

知的財産高等裁判所は2009年あたりから、発明の進歩性の評価手法を変え(代表的な判決は、2009年1月28日の知財高裁判決)、特許権侵害訴訟と特許審決取消訴訟をプロパテントの方向に転換しました。私共はこれら一連の知財高裁判決をPatent & Licensing 誌を通して紹介しました。

我々の訴訟分野での仕事は、IOTの時代において極めて大きな影響力を持つ判決を獲得した他、有力な判決の活用により幾つかの成果を上げています。

社会インフラに成長した標準必須特許に関する判決の影響力は当事者を越え、産業界全体に及びます。2021年8月現在で日本における唯一のFRAND判決は、我々が関与した2014年の知財高裁の大合議判決です。

医薬の分野でも、私共は、進歩性判断における出願後に提出された証拠の参酌の可否に関する判例理論に基づき、幾つかの判決を獲得し、判例の紹介と共に、判例の創設に努めています。