CAFC判決

CAFC判決

Tafas 対 Dudas事件

No. 2008-1352,2009,5,20-Mar-09

この事件では、5/25制限ルールやその他の規則の有効性が争われました。5/25制限ルールは、独立項数で5個または総クレーム数で25個を上回る出願については出願人が審査補助書面(いわゆるESD)と先行技術文献調査を提出しなければならないとするルールです。本事件では5/25制限ルールは有効であることが示されましたが、オバマ政権が誕生したことにより規則の施行が停止しており、規則の内容が修正される可能性もあります。

5/25制限ルール等の有効性についてCAFCの見解が示された事件

この事件では、CAFCの三名合議体の過半数は、継続特許出願の数を制限する米国特許商標庁最終規則第78は米国特許法第120条に適合せず、無効であると判示した。しかし、CAFCは、その他の3つの最終規則は手続き上のものであり、米国特許法に適合するから、CAFCは米国特許商標庁に決定を委ねなければならないと判示した。これらの規則のうち、最終規則第114は継続審査要求の数を制限するのに対して、規則第75及び第265は、5個の独立クレームまたは25個の総クレームを上回る数のクレームを有する出願について審査補助書面と先行技術文献調査を要求する(5/25制限ルール)。

2007年後半に、公示及び意見募集の期間が経過した後で、米国特許商標庁は一連の新たな規則を発布したが、この規則の発効日前の2007年10月31日に、バージニア州東部地区はこの規則の施行の禁止を命じた。(注1)その後の規則の無効を求める略式判決の申し立てに続いて、地方裁判所は、最終規則は実体法であり、したがって米国特許商標庁の制定法上の管轄権を超えているから無効であると認定した(注2)。

CAFCに控訴された4つの最終規則は以下のとおりである。

規則78:継続出願に関し、正当な権利として出願人に認める継続出願を2件のみに制限する。2件を超える継続出願については、出願人が、「求められている補正、主張、または証拠は、先の出願の審査中に提出することができなかった」ことを示さなければならない。?規則114:認められる継続審査請求(RCE)の回数に関し、「求められている補正、主張、または証拠は、出願審査の終了よりも前に提出することができなかった」ことが示されない限り、正当な権利として認めるRCE出願を1件のみに制限するものである。?規則75:5個の独立クレームまたは25個の総クレームを上回る数のクレームを有する出願に対して、審査補助書面(ESD)を要求する。?規則265:ESDの要件を説明しており、ESDの要件には、先行技術文献調査を予め行うこと、関連性が最も高い文献のリストを提供すること、各文献が開示している発明特定事項を特定すること、各独立クレームが文献と比較して特許性を有することの理由を説明すること、並びに、各クレームに係る発明特定事項が開示されている明細書の部分を示すこと(米国特許法第112条)が含まれている。

CAFCはまず、米国特許商標庁が主張するように、米国特許商標庁は実体的規則と手続き的規則の両方について規則制定権を有するのか、または、単に手続き的な規則の制定権を有するに過ぎないのかについて検討した。CAFCは米国特許商標庁の主張を斥け、特定の権限について規定する米国特許法第2条(b)(2)によれば、米国特許商標庁は一般的な実体的規則を制定するいかなる権限も与えられておらず、したがって、米国特許商標庁が制定したいかなる実体的規則も無効であると判示した。

次に、CAFCは、4つの最終規則は、実体的なものであるか、または、Chevron事件の最高裁判決(注3)で示された基準に則った手続き的なものであるかについて検討した。CAFCは、4つの最終規則は「当事者が米国特許商標庁に意見を述べる方法を変更するかもしれないが、これらは、審査を求めて特許出願をする有効な機会を奪うものではない」と認めた(注4)。このようにして、CAFCは、最終規則は実体的というよりもむしろ手続き的であると判示した。

CAFCは、最終規則は手続き的であり、このためChevron事件に従ったものであると認定したが、最終規則第78は米国特許法第120条に整合していないと判示した。CAFCによれば、米国特許法同条は4つの「排他的な」継続出願の要件を規定しているが、最終規則78は、5つめの要件、即ち、出願が以前に提出できなかったことの立証の追加を試みるのものである。このため、CAFCは、最終規則78は無効であると判示した。

CAFCは、その他の3つの最終規則(第75、第114、及び第265)は米国特許法に整合しており、また、これらの再審査はChevron事件に従ったものであるから、これらは無効ではないと判示した。

補足意見において、Bryson判事は、並列的な継続出願と直列的な継続出願とを区別し、最終規則78は、同時に継続する並列的な継続出願を制限するという理由のみから無効であるという見解を示した。反対意見として、Rader判事は、4つの最終規則は全て実体的であり、したがって米国特許商標庁は法定の権利を超えているから、無効であるという見解を示した。

特許弁護士は、最終規則第75、第114、及び第265が発効した場合に適用される、継続出願とRCEに対する追加の要件について留意すべきである。控訴の一部として提出された30の法定助言書や特許基準の重要な関心を考慮すると、CAFCによる完全な再審理の申し立ても同様のように思える。また、2009年1月20日に、オバマ政権が、新たな行政規則の実施を原則として停止し、追加のレビューと未発効の全ての規則に対する可能な限りの更なるパブリックコメントを求めたことに留意することも重要である。CAFCは最終規則第75、第114、及び第265が有効であると認定したが、その状態はしばらくの間未確定となろう。