CAFC判決

CAFC判決

In re Rudy 事件

CAFC No. 2019-2301,2020,4,24-Apr-20

PTOが2019年に発行した「改訂特許適格ガイドライン」が判例に十分に準拠していないとして、PTABがガイドラインに基づいて判断を行ったことは不当とした判決。CAFCは、PTOのガイダンスは司法府の判例を十分に反映しておらず矛盾する部分もあるので、依拠すべき判例は、我々(CAFC)の判例であり、連邦最高裁の先例であるとした。

PTOが2019年に発行した「改訂特許適格ガイドライン」が判例に十分に準拠していないとして、PTABがガイドラインに基づいて判断を行ったことは不当とした判決

Christopher Rudy は20年以上前の1989年10月、無色透明の釣り針に関する発明を特許出願(07/425,360)した。その出願は自明性を理由に拒絶され、審判・控訴を何度も繰り返し、その都度補正がなされた。本件は、PTOの決定(=自明性を理由とした主要クレームの拒絶)に対する控訴である。

拒絶された代表的クレーム34は、「(1)水の透明度を確かめる工程、(2)水面から光の届く範囲に釣り針を下げるための水面からの距離を測定する工程、(3)水質にあう釣り針の色を選択する工程、から成る魚釣りの方法」である。PTABは、最高裁判例(Mayo事件/Alice事件)の2段階テストと、2019年のPTO改訂ガイダンス(2019 Revised Patent Subject Matter Eligibility Guidance, 84 Fed. Reg. 50 (Jan. 7, 2019))を根拠にして、クレーム34は抽象的アイデアに向けられたものであるとして決定(=特許性がない)を支持した。Rudyは、PTO改訂ガイダンスにもとづく特許性の判断は誤りであるとしてCAFCに控訴した。

CAFCのパネルは、PTO改訂ガイダンスにもとづく特許性判断は誤りであるとする出願人の主張について、「PTOのガイダンスは司法府の判例を十分に反映しておらず矛盾する部分もあるので、依拠すべき判例は、我々(CAFC)の判例であり、連邦最高裁の先例である」として出願人の主張を支持した。しかし、PTABの拒絶理由とその結論については、十分に判例に準拠しているとして特許出願の拒絶の決定を全員一致で支持した。