CAFC判決

CAFC判決

Thryv, Inc. 対 Click-To-Call Technologies 事件

Supreme Court No. 18-916,2020,4,20-Apr-20

訴訟提起から1年経過後のIPR申請を受理したPTOの決定に対して控訴することはできないとした判決。最高裁は、314条(d)がIPRの開始決定と密接に関連する問題についての上訴を認めていないことを判示したCuozzo最高裁判決に基づき、315条(b)の問題はIPRの開始決定に密接に関連するとして、IPRを開始したPTOの決定が終局的であることを確認した。

訴訟提起から1年経過後のIPR申請を受理したPTOの決定に対して控訴することはできないとした判決

Click-to-Call(CTC)は、匿名電話システムに関する特許(5,818,836)の特許権者である。Thryv, Inc.は2014年、同特許のIPR(inter partes review)を申請した。CTCは、Thryvが過去に同特許について裁判で争ったことを理由に特許法315条(b)を根拠にしてIPRの開始に異議を述べたが、PTOはIPRの開始を決め、全ての特許を無効と決定した。訴状が送達されてから1年以内にIPRの請求が必要という時期的制限があるIPR申請をPTOが受理したことに対し、CTCは、PTOの315条(b)の解釈に誤りを根拠にCAFCに控訴した。しかし、CAFCは、管轄不存在を理由にCTCの控訴を却下した。CTCは連邦最高裁に上告。最高裁はCAFCの判決を破棄し、事案をCAFCに差し戻した。

差戻審でCAFCは、CAFCの「Wi-Fi One v. Broadcom事件大法廷判決」(2018年)が315条(b)にもとづく決定に対する控訴を認めているとして、当初の管轄不存在の判決を変更した。CTCは、改めて連邦最高裁に上告。最高裁は、314条(d)がIPRの開始決定と密接に関連する問題についての上訴を認めていないことを判示したCuozzo最高裁判決に基づき、315条(b)の問題はIPRの開始決定に密接に関連するとして、IPRを開始したPTOの決定が終局的であることを確認した。最高裁は、IPRの却下を命じたCAFCの判決を破棄した。