CAFC判決

CAFC判決

In Re McDonald 事件

CAFC, No. 21-1697 (August 10, 2022)

本事件においてPTO及びCAFCは、「プロセッサー」を追加して認められた特許クレームから、後日「プロセッサー」の文言を削除しようとする特許再発行出願はクレーム拡張であるとして、これを拒絶した。

特許出願人McDonaldは2008年、各種調査結果の表示方法と表示システムに関する特許を出願した。出願クレームの一部に、調査を行うための「プロセッサー」が記載されていなかったため、PTOの審査官は特許法101条を理由に特許出願を拒絶した。出願人はクレームの補正を行い、「プロセッサー」の文言を追加して特許を取得した(USP 8,280,901)。

一方、この出願人は、901特許の発行前に、クレームに「プロセッサー」を記載した継続出願(CP)を行い、特許(USP 8,572,111)を取得した。

出願人は2015年、111特許のクレームから「プロセッサー」の文言を削除するために特許再発行の出願を行った。文言の削除の理由は「錯誤により発明が不当に減縮されたため」であった。PTO審査官は、クレームの一部(1–7, 10, 12–14, and 29–38)が親特許のクレーム範囲を拡張するとして再発行特許出願を拒絶した。出願人は、この拒絶を不服としてCAFCに控訴した。

CAFCは「再発行クレームが親特許のクレームを拡張する」ことを理由とするPTOの拒絶を支持した。その支持の理由を次のように述べた。①PTABの判断(「プロセッサー」の文言を追加してクレーム範囲を限縮したのは意図的であり錯誤ではない)は正当である、②出願人が「プロセッサー」は不必要であると主張するが、その文言が実際にクレームに存在する以上、それを不必要であると主張すること自体クレームの拡張を主張することに他ならない。