CAFC判決

CAFC判決

Frolow 対 Wilson Sporting Goods Co. 事件

No. 2012-1185,2013,6,15-Mar-13

特許番号が表示された製品はその特許の実施品と看做され、矛盾する主張を禁じた判決,この判決で、CAFCは、特許番号がマーキング(表示)された製品は、その特許の範囲に含まれることを当事者が自白したことになると説明し、これに抵触する主張はできないと判断した。

特許番号が表示された製品はその特許の実施品と看做され、矛盾する主張を禁じた判決

この判決は、ニュージャージー地区地方裁判所がウィルソン(Wilson Sporting Goods Co.)を勝訴とした終局判決に対する控訴に関するものである。

控訴審において、フロロー氏(Mr. Frolow)は、地方裁判所による略式判決の登録及び法律問題としての判決の登録に異議を申し立てた。CAFCは地方裁判所による略式判決の付与を破棄し、他のすべての争点に関して地方裁判所の判決を支持した。

この訴訟では、ウィルソンによるライセンス契約の不履行が申し立てられた。この契約のもとで、ウィルソンは、フロロー氏の有する米国再発行特許第33,372号(以下、372特許)の「有効期限内またはその他に有効な1つ以上のクレームで保護されるテニスラケット」として規定される「ライセンス品」のロイヤリティをフロロー氏に支払うことに合意していた。

フロロー氏は監査を行った後、このようなラケットの一部についてウィルソンがロイヤリティを支払っていないと判断し、ウィルソンがライセンス契約を履行しておらず、372特許を侵害したとして訴えを起こした。

仲裁規定に従い、地方裁判所はこの契約不履行事件をウィルソンのラケットのどのモデルがライセンス品であるかを判断することに限定し、ウィルソンのテストデータにより、42種類のラケットモデルのうちの37種類が特許クレームの範囲に含まれないことが示されると判断した。

フロロー氏はこのデータに異議を唱え、ウィルソンが14種類のラケットに372特許の番号をマーキングしていた事実を指摘し、ウィルソンのマーキングは重要な事実に関する真正な争点を生じると主張した。

地方裁判所は、ウィルソンを勝訴とする略式判決を付与し、フロロー氏によるマーキング主張を棄却し、対象のラケットモデルがライセンス品であるかどうかを争うことがウィルソンのマーキングにより妨げられるかを判断することを拒否した。

控訴審におけるフロロー氏は、ウィルソンが14種類のラケットモデルに372特許の番号をマーキングしたことにより、これらのモデルがライセンス品でないと主張することは禁反言となるし、少なくとも、14種類のモデルのラケットがライセンス品であるかどうかについて重要な事実に関する真正な争点を生じるのに十分であると主張した。

ウィルソンは14種類のモデルにマーキングされていたことを認めたが、これは不注意でミスマーキングしたと主張した。ウィルソンは、14種類のモデルのラケットの特性が372特許の範囲に含まれないことを専門家報告書が示しているので、これらのラケットがライセンス品でないことを証明すると主張した。

マーキング禁反言の原理によって、標準的な証拠実務が適切な救済を与える特許法に特有な別の原理が作成されることはないと述べて、CAFCはマーキング禁反言の原理を却下した。さらに、CAFCは、近年、議会が米国特許法第292条の虚偽マーキング規則を修正して減縮し、議会が認めるものよりも広い救済を採用することは不整合であることに着目した。

CAFCは、ウィルソンが自身の製品に372特許の番号をマーキングしたことは、ウィルソンンの製品が特許クレームの範囲に含まれるというフロロー氏の主張を支持することになるということに同意した。

CAFCは、特許番号を製品に付すことによって、マーキングされた製品が特許クレームの範囲に含まれることを当事者が自白したことになると説明したのである。

CAFCは、マーキング行為は、企業の製品が特許を侵害することを企業の役員が文書または証言で認めることに等しいと判断した。一般的に、特許マーキングのような司法管轄外の事実の自白は単に、自白を行った当事者によって反論されうる証拠である。

CAFCは、これらの自白は拘束力を有しておらず、供述を行った当事者によって反論または釈明されうると意見を述べた。よって、CAFCは、被告によるマーキングが無関係であると判断した点で地方裁判所に誤りがあると判断した。

CAFCは、マーキングの証拠は、マーキングされた製品が特許クレームの範囲に入ることの状況証拠であり、略式判決を不可能にすると述べた。

Key Point?この判決で、CAFCは、特許番号がマーキング(表示)された製品は、その特許の範囲に含まれることを当事者が自白したことになると説明し、これに抵触する主張はできないと判断した。