CAFC判決

CAFC判決

Eli Lilly and Company 対Hospira, Inc.事件

Nos. 18-2126, -2127, -2128,2019,8,9-Aug-19

包袋禁反言の適用は、発明および審査経過を参酌して個別に判断しなければならないことを論じた判決。CAFCは、包袋禁反言の有無を判断するにあたり、画一的なやり方を適用することは適切でなく、補正が均等物に殆ど関係がないか否かを、特許に開示された発明及び審査経過を参酌して個々に決定しなければならないと判示した。

包袋禁反言の適用は、発明および審査経過を参酌して個別に判断しなければならないことを論じた判決

Eli Lillyは、二ナトリウム塩(disodium salt)を含む化合物を肺がん治療薬Alimtaの商品名で販売し、関連特許を保有していた。Hospira等が、Eli1 Lillyの臨床データを利用して新薬承認申請(NDA)を行ったため、Eli Lillyは特許侵害でHospira等を訴えた。地裁は、NDA申請によってEli LillyのAlimta特許を侵害すると認定し、特許が失効するまでFDAによるNDA承認を禁止した。

事案はCAFCに控訴され、CAFCは、地裁が文言侵害を認めたのは明らかな誤りであるとして、地裁判決の一部を破棄した。ただし、地裁が均等論を適用して侵害を認定したことについては支持した。CAFCは、包袋禁反言により均等論の適用が妨げられることはないとする地裁の判決を支持し、包袋禁反言の有無を判断するにあたり、画一的なやり方を適用することは適切でなく、補正が均等物に殆ど関係がないか否かを、特許に開示された発明及び審査経過を参酌して個々に決定しなければならないと判示した。