1. トップページ
  2. 米国連邦裁判所(CAFC)判決
  3. 2010年
  4. 1. Perfect Web Technologies, Inc. 対 InfoUSA, Inc.事件
CAFC判決検索

判決検索が行えます。

月刊The Lawyers 2010年3月号(第125回)

1. Perfect Web Technologies, Inc. 対
InfoUSA, Inc.事件

No. 2009-1105 (December 2, 2009)

- 先行技術文献や専門家の証言に依拠することなく自明性を否定できる事例について -

パーフェクトウェブ(Perfect Web Technologies)は、米国特許第6,631,400号(以下400特許)のクレームに記載された発明は、新規性を備えず、自明で、また不適当な主題に関する発明であるため無効と判断したフロリダ州南部地方裁判所の略式判決を不服として控訴した。

400特許は、対象となる顧客のグループに対し、大量の電子メールを送信する装置と方法をクレームしている。特許発明は、1回の送信で成功した電子メールメッセージの数と予め決められた所望の数とを比較し、もし成功数が所望の数に達しなかった場合には、送信されたメッセージの数が所望の数に達するまで、顧客のグループを選択しなおして電子メールを送信する工程を繰り返すものである。なお、400特許の出願日は2000年4月13日であった。

パーフェクトウェブは、インフォUSA(InfoUSA, Inc.)の電子メール配信システムが400特許の特許権を侵害していると主張し、インフォUSAをフロリダ州地方裁判所に提訴した。

当事者が、クレーム解釈に関するそれぞれの意見書を提出した後、インフォUSAは無効との略式判決を要求した。地方裁判所は、400特許において主張されたクレームに記載された発明は新規性がなく、自明であり、また不適切な主題に関係するとして無効であるとし、インフォUSAの申立を認めた。

パーフェクトウェブは、地方裁判所による無効との略式判決を不服として控訴した。CAFCは冒頭の審理において、無効とする他の理由に関して結論に至る必要性はないとし、米国特許法第103条に基づき400特許の自明性の認定をした略式判決にのみ着目した。

CAFCは自明性の判断基準について審理し、それは「根底にある事実認定に基づく法律上の問題」であると述べた。In re Kubin, 561 F.3d 1351, 1355 (Fed. Cir. 2009)

根底にある事実の要件(別名、グラハム事実認定)とは、(1)先行技術の範囲と内容、(2)争点のクレームと先行技術との差異、(3)当業者のレベル、及び(4)非自明性の二次的考察である。KSR Int'l Co. 対 Teleflex, Inc.事件、550 U.S. 398, 406 (2007)(Graham 対 John Deere Co.事件、383 U.S. 1, 17-18 (1966)より引用)

地方裁判所は、400特許の従来技術が「電子メールを使ったマーケティング技術」であり、当業者を「少なくとも高等学校の卒業証書と業界での1年の経験を有し、コンピュータと電子メールのプログラムに熟練している」者と認定し、それに対し当事者も異議を唱えなかった。

先行技術と400特許の明細書は、唯一の独立項である方法に記載された最初の3つのステップは周知であることを示していた。先行技術にはない、新たに追加されたステップは、対象となる顧客に定められた数の電子メールを送信するために3つの周知のステップを繰り返すステップであった。

地方裁判所は、最後のステップが「単に再試行という常識を適用した論理的な結果にすぎない」として、特許発明は自明であると認定した。控訴審において、パーフェクトウェブは「常識」もしくは知識は、「先行技術が当業者にクレームされた発明を生み出させるような教示、示唆、または動機付けを含むかどうかに対する審理と同じ役割」を果たすので、それらは「事実の認定と証拠に根付かなければならない」と主張した。

CAFCは、当業者に通用する常識を考慮に入れると、周知である一連のステップをただ繰り返すことは自明であるとした地方裁判所の認定を支持し、「自明性の分析は、常に必須であるグラハム事実認定に裏付けられた証拠に依拠するが、また一方で文献や専門家の意見を必要とせずに、当業者に通用する判断、論理及び常識に頼ることも含まれる」とした。

CAFCは、周知であるステップを繰り返すステップは意図した受取人に電子メールがうまく届かないという問題の多くても2〜3通りしかない可能な解決法のうちのひとつであるので、「明らかな試行」の基準の下、400特許は自明であるとした。

パーフェクトウェブ事件におけるCAFCの判決は、米国特許法第103条に基づき自明であるとして、特許の有効性に異議が申し立てられている事件、特に、主張されたクレームの構成要素が先行技術の中ではっきりとは述べられていない場合に関係する。この事件は、欠けている要素が当業者によれば「常識」の適用にすぎないことを示すことにより、クレームが自明であることを立証できることを明らかにした。

  1. トップページ
  2. 米国連邦裁判所(CAFC)判決
  3. 2010年
  4. 1. Perfect Web Technologies, Inc. 対 InfoUSA, Inc.事件

ページ上部へ